名古屋みなとロータリークラブ

卓話Speech

2025年1月17日(金)(第2727回)例会 No.19

性暴力 ~魂の殺人~バックナンバー >

休石 直美さん
名古屋掖済会病院 救急外来看護師 性暴力被害者支援看護職(SANE)
休石 直美

性暴力被害者が身体的・精神的に負う傷は非常に深刻で、「心の殺人」や「魂の殺人」といわれています。それだけ、被害者に与える影響は甚大で、一生を狂わせるといっても過言ではありません。特に子どもへの被害は、一度起こってしまうと心身への影響が非常に大きい反面、自分に起きていることが「虐待」と認識できていない子どもも多く、自らSOSを発する子どもは稀だと考えています。だからこそ、救急外来に他症状の治療目的で来た虐待児を見逃すわけにはいかない!子どもたちの発する些細なサインを見逃さない!その悪質な環境から救い出し、安心・安全に育つ権利が主張できるような関わりをしたい!と思っています。

当院は愛知県に2つしかない性暴力被害者支援センターと連携し、初期対応・コーディネートを行う連携センターに指定されています。救急外来にきた性暴力被害者を早期発見・救出することは、性暴力被害者支援看護職を取得した私が、連携センターである当院の救急外来に所属する意義だと思っています。

「そんなつもりはなかった」「何も抵抗しないから同意していると思った」と証言する加害者がいると耳にしたことはありませんか?「抵抗しないから」ではなく「抵抗できなかった」ということを知っていただきたいです。性暴力被害に遭い、崩壊した子どもたちはやがて大きくなり自らの命を絶ちたいと考えます。そして自分の身体を傷つけようとリストカットや、薬物の過剰摂取をするようになります。救急外来にはその様な患者様が毎日のように来院します。その為、私が性暴力についての知識を共有することで、早期発見・救出に繋げ、被害者をサポートすることが理想だと考えています。

今回のことで性暴力に対し、少しでもご理解いただけると幸いです。
ぜひ皆様の性暴力被害者への継続的な支援をよろしくお願いいたします。
貴重な機会にお招きいただき、誠にありがとうございました。

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名古屋マリオットアソシアホテル(17階)
金曜日 12:30~13:30