名古屋みなとロータリークラブ

卓話Speech

2022年7月29日(金)(第2634回)例会 No.4

青果物・おいしく食べて人生を楽しくバックナンバー >

早瀬 鎌行
セントライ青果株式会社 取締役相談役
早瀬 鎌行

皆さん、こんにちは。
久しぶりに、ここで話をさせて頂くことになりました。当時の会長挨拶は、1年間全て果物と野菜の話をさせて頂きました。あれからもう16年。私の話を聞いたことが無いという人が多くなってしまいました。

野菜や果物なんかは、みんな「知っているよ」と言いますが、本当に知っている人は殆どいません。それがどれ程素晴らしいものであるか、どういうものが美味しいのか、どんな栄養素があるのか、どういう風に作られているのか、といったことなど何にも知らない人ばかりです。 そこで今日は、皆様方に大いに健康で長生きをし、人生を楽しくして頂けるような話にしたいと思います。

私はもう57年、中央卸売市場の中で仕事をしていますので、名古屋の中で私以上に、野菜や果物のことを知っている人は、そう何人もいないでしょう。
まず、野菜や果物の価額は中央卸売市場で、需要と供給によって決まります。大豊作の時は安くなり素晴らしいものばかり。逆に大不作の時にはいい物が殆どない。つまり、安い時ほど物がいい、高い時ほど物が悪い、というわけです。

皆さんは、野菜や果物、沢山食べていますか。
国は「1日に野菜は3 5 0 g以上、果物は2 0 0 g以上食べましょう」と推奨しています。でも日本人の平均は、両方とも約1 0 0 g弱不足しています。愛知県では野菜の摂取量1人平均236gと、全国の中でどん尻です。因みに愛知県は、生産量では全国5番目です。

この「1日に野菜350 g以上、果物200 g以上」という言葉の中に、2つの特徴があります。
1つは「以上」という言葉。以上があって以下がない、 つまり上限がないです。350 g以上、200 g以上どれだけ食べてもいいよと、言っているんです。
塩分・糖分・カロリー、ビタミンでも取りすぎると害になります。なのに野菜や果物はそんなに取りすぎてもいいのか。いいんです。
野菜も果物も90%ぐらいは水分。いくら食べても害になる程は食べられません。害になる前に、腹が膨れてしまいます。欧米もやはり上限を設けていません。

私は職業上美味しい果物がいつも手に入りますから、果物200g以上どころではなく、毎日800g~1Kgぐらい食べています。果物を食べすぎると糖分が多いから糖尿病になる、とよく言いますが、あれは絶対嘘です。 だって私は糖尿病になっていませんから。しかも私が食べている果物は、名古屋で1番美味しい果物。つまり、最も糖分の多い果物ばかり、 もう50年以上ずっと食べております。
更に私は、食べるのが大好きですから、他にカロリーの高いものも、沢山食べています。常に食べ過ぎ状態。だからこんなに太っている。それでも糖尿病にならないのは、野菜や果物を沢山食べているおかげではないかと思っています。

さて、「1日に野菜350g以上、果物200g以上」の言葉の中のもう1つの特徴。それは、「野菜、果物」の品目は特定していない、 野菜・果物なら何でもいいということ。夫々の品目で栄養素が夫々違う、そんないい加減なことでいいのか。いいんです。 アメリカでは、野菜と果物さえ分けていない。青果物というのは、夫々の品目全ての栄養素が入っているからです。皆さんが普段食べている野菜や果物は、品目数で約70~80。そのすべてにビタミンAもBもCも、ミネラルとしてカルシウムもカリウムもマグネシウムも鉄分もポリフェノールも食物繊維もみんな入っているんです。入っていない栄養素はないんです。
健康食品とかサプリメントとか、テレビでよく宣伝しております。 この一杯の中に、この1粒の中に、何十種類の栄養素が。これで1日大丈夫と。 思わず飲んでみたくなるでしょうが、あんな物は、野菜でも果物でも、1つずつ全部の品目に何十種類の栄養素がみんな入っています。野菜を宣伝してないだけ。サプリメントも健康食品もいりません。 ビタミンCの錠剤は、1粒で500mg。りんごなら5 0個以上。自然でとれる量ではありません。そういうものは、きっと害になります。そんなものを飲まなくても野菜や果物を食べておれば、全部まかなってくれます。果物だけでもう1 0年も生きている人もいます。
また、年を取るとカルシウムをしっかり取らないといけないと、よく言われますが、そうすると大抵の人が、牛乳を飲むか、小魚を食べるか、と言う人が多い。でも、カルシウムは吸収率が悪く、マグネシウムやビタミンCの作るコラーゲンの助けが必要なんです。そしてそのカルシウムを骨に入れる為には、ビタミンDの助けが必要なんです。大体日本人は、カルシウムを野菜や果物から半分以上は取っています。小松菜1 0 0 gと、しらす1 0 0 gでは、カルシウムの含有量はほぼ同じ。小松菜には、ビタミンCもマグネシウムもタップリ入っております。

大きな草食動物の、大きな骨は、みんな植物からとっている。牛や馬も、小魚を食べたり、牛乳を飲んだりしていません。果物しか食べていない人も、カルシウムは全部果物から取っています。 野菜や果物をしっかり食べておれば、カルシウムはも十分に取れるんです。
その他にも、野菜や果物には、まだまだ素晴らしい効能や栄養素が、山ほどあります。しかし、健康のため美容の為、長生きの為だと言って、キリギリスじゃあるまいし、そんなに食べれるかと思っている人、多いんじゃないですか。
でもね、食べれるんです。簡単です。
美味しい物なら、食べられるんです。
美味しければ、一杯食べられる。

ここに素晴らしく美味いみかんがあります。
食べると、【うっまいなあ】というみかんです。
そういうミカンは食べ終わったときに、だれもがもう1つ食べたいとなる。私なんかそんな時、3つ4つ、5つといっちゃいます。
逆にまずいミカンを食べた時はどうでしょうか。
酸っぱいばっかりで、甘みの無い、口に入れただけでもう食べたくない、捨てたい。そういうミカンを無理して食べると、1か月ぐらいもうミカンは食べたくない、ということになってしまうんです。 美味いとまずいでは、こんなに違うんです。

私がこう言いますと、ロータリアンの皆さん方はお金を持ってる人が多いですから、高い物を買ってくるんです。高ければ旨いだろうという事です。 でも最初に申し上げましたが、市場での常識、高い時程物が悪い、安い時程物が良い。
日本人の好きなものは、綺麗な物、珍しい物、初物、大きい物。そういう物にお金を出す。だから、それらは高くなる。でも味とは全く関係のないことばかり。ですから、そういう物に惑わされずに、本当に美味しい物を、見極めて食べて頂きたいんです。

美味しいものを選ぶのは、色んな事を知っていないと、中々選べない。ですから、美味しいものを、美味しい状態で食べている人は、本当に少ない。
美味しい状態というのは、長くは続かないから。追熟をさせて食べる果物があります。メロン類、キーウイフルーツ、バナナ、アボガド、マンゴー、ラフランス等、追熟をさせて、最高に美味しい時は一瞬。早ければ、まだ固いし、味も乗っていない。 遅れればぐちゃぐちゃになる。美味しい一瞬を逃せば、あとは、腐り始めます。そして、店頭では最高に美味しい状態になったものは商品価値が無くなってしまうんです。例えばバナナ。黒い斑点が一杯出てきて、汚い色になっていたら、私から見れば一番おいしい状態。そういうバナナは大抵、見切り品コーナーに置かれています。 今日食べるつもりなら最高に美味しいく、大変お値打ちに買えるんです。 枝豆やスイートコーンは、収穫後時間と共に糖度が落ちてゆきます。買ってきたら出来るだけ早く食べることをお勧めします。

サツマイモや馬鈴薯の鮮度は関係ない。サツマイモは10月頃に収穫をした後、貯蔵を致しますが、その間にデンプンが段々糖に変わり、12月頃には甘いサツマイモになっています。只、サツマイモを冷蔵庫に入れたりすると腐ってしまいます。熱帯性のものですから、暖かい所で保存してください。

皆さん方に美味しいものを知って頂くために、年5回程「旬果展」をやっています。その時々の 旬果展で買った果物を、錦のママに運んでいる人もいるようですが、是非自分で食べてその美味しさとその時期を覚えて頂きたいと思っております。

私が食べているおいしい果物の中で、主なものを紹介します。
正月を過ぎますと「せとか」「メロゴールド」、苺。メロゴールドというのは、グレープフルーツと文旦を掛け合わせたものです。
3月は清見、デコポン、みかんも青島という品種は味の濃い美味しいみかんです。
4月になると、木で熟したデコポン。量が少ないので3週間位で終わります。 糖度が1 7~18度で、普通は13度位ですから最高においしい。水谷君に言わせると、甘すぎるなんて贅沢なことを言っています。
私は4月1日の初荷で1箱買い、最終日に2箱買って冷蔵庫に入れます。冷蔵庫で1か月位は持ちますので、連休明けまで楽しんでおります。
ナツミも4月中旬から。小ぶりですが、大変おいしい蜜柑です。これも冷蔵庫で1ヶ月以上食べられます。
又、4月頃からは気温が上がりグレープフルーツが美味い。4月のフロリダ産から始まってカルフォルニア、南アフリカ産までの9月一杯、半年間、会社にいる時は毎日昼には一つ食べます。 5月になると色んな果物の走りが出てきます。その中ではハウスみかんと国産マンゴーは美味しいと思いますが、まだ価額は非常に高く中々食べれません。その頃にはメキシコ産のマンゴーも出ていますので、追熟をきちんとさせれば、味は国産と変わらないので、私はもっばら、メキシコのマンゴーを食べています。
5月下旬は、豊橋、渥美、猿投のハウスの西瓜。非常に技術力の高い生産者の大変美味しい西瓜です。加藤茂春さんは西瓜が大好きで、その時期には必ず2回、3回と頼んでくれます。どれだけ西瓜を食べるんだろう。
6月末には、アメリカ産のサクランボでレイニアという品種が出てきます。 1週間たらずで終わりますので、買うチャンスは今年は1回だけ。 国産の佐藤錦よりも美味しいと思っております。 亡くなった長谷川さんは酒が大好きな人でしたが、何故かサクランボ大好き人間で、酒とサクランボだけ食べているのかと思えるような人でしたが、レイニアの時期になると必ず買ってくれと頼まれました。 価額が高いのはまだしも、1箱に4kgも入っておりますので、1人暮らしの長谷川さんには多すぎると思っておりましたが、それでもレイニアを覚えてからは、いつも必ず食べておられました。
6~7月にかけては、ハウスみかんの品質が一番安定する時期。夕張メロンも7月が最盛期でお値打ち。全部航空輸送で熟度もきており、すぐに食べれます。桃は品種が次々に替わりますが、7月の中旬からは美味しい品種が出回ります。桃は産地の天気を見よと、言われます。好天の続いた時の桃は大変美味しいが、雨が降ると一気に味が落ちる。大変難しい品目で年々産地が減少しているため、益々高くなってきています。
この頃から、シャインマスカット、ピオーネ等のブドウ類も出てきますが、未だハウスの加温物ですから非常に高価格です。
8月のお盆前は、盆需要として殆んどの果物が早めの収穫をしるので美味しい物が少ない。私はこの時期に果物は買いません。 盆明けからは、梨の幸水、ぶどう類が美味しい。
9月には梨のあきずき、その後から南水。そしてブドウ類のシャインマスカット、ピオーネ、長野パープル、巨峰等が、美味しくお値打ちになってきます。
只、シャインマスカットは、近年輸出が多くなり、中々値が下がりずらくなっています。
10月、太秋柿、刀根柿。
11月には、一気に美味しいものが出てまいります。 林檎は新しい品種の「群馬名月」。蜜も入って大変美味しい品種です。そしていよいよ早生みかん。私は11月には、三ケ日の秀をまず買います。 三ケ日の秀は糖度1 2度以上の設定で間違いなく美味しい。10kg箱に約110-120個。11月一杯でこれをたべます。 ラフランスも11月が旬。11月も中旬からは、サンフジに蜜がはいって美味しくなりますし、富有柿も11月末頃が一番美味しい時期になります。
これだけ色々ありますと、さすがの私も食べ過ぎ状態になります。
12月には待ちに待った最高のミカン、箱入娘。私は初荷で1箱買って、最終の1 7~18日頃には、3ケース程買って、正月過ぎまで食べております。 又、サンふじも蜜が入ったものが、中旬位で終わってきますので、中旬頃に買って、1月中旬過ぎまで食べております。

その他にも、まだまだ沢山の美味しい野菜や果物が、一杯あります。
それをしっかり食べるだけで、健康にも、長生きにも、つながります。
それが【うっまいなあ】というものであれば、食べる度に幸せな気分になるんであります。
そしてそれが、毎日続いたら、人生は楽しいものになる。
幸い、みなとRCには私がおります。今、何が美味しいかということは、私に聞いて頂ければいつでもお答えいたします。皆さん美味しい野菜や果物を、どんどん食べましょう。

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