名古屋みなとロータリークラブ

卓話Speech

2020年2月 7日(金)(第2573回)例会 No.23

「アンガーマネジメント
~パワハラ防止と組織活性化のための感情コントロール~」

~奉仕の心を学び、伝え、実践しよう~

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川地 美仲子
人材開発オフィス エムズモーメント 代表
川地 美仲子 さん
 

 大企業はこの春、中小企業は 2022 年の春からパワハラ防止対策が義務づけされ、この対策が不十分な場合、社名公表されるなど大きなダメージを受けることとなります。 特に今のビジネスでは「レピュテーションマネジメント」(企業の評判やブランドイメージを維持・向上させること)が大切だと言われる中で、パワハラ防止対策は非常に重要です。
 パワハラが起きる理由は大きく 3 つ。社員一人一人の業務負荷が増え、心にも時間にも余裕がないことにより①ストレス(=イライラ)が発生しやすい②社内コミュニケーションが低下している ③多様な価値観を受け入れられない
 企業の生産性の低下を防ぐためにも、一人一人が上手に感情をコントロールし、それぞれの価値観の違いを理解し、その上で適切に業務を遂行することが大切です。
 アンガーマネジメントは、怒りの感情を上手にコントロールするための心理トレーニング。怒らない自分を目指すのではなく、怒る事と怒らない事を上手に線引きが出来ることを目指します。
 アンガーマネジメントのテクニック一例として、以下をご紹介します。
【怒りの体質改善=怒りにくい自分をつくる】
怒りは第二次感情。その構造は氷山と似ています。海上にでている氷山は全体の一角であり、海面下にはもっと大きな氷の塊が隠れています。怒りも同じ。私たちが感じたり、見たりしている怒りの裏には悲しい、つらい、寂しい、空しいといったネガティブな感情=第一次感情が隠れています。怒りの体質改善をするために、普段から私たちの心の中にある第一次感情に目をむけ、まずはそちらを取り除く行動を先に取るようにしていきます。
【イラッとしたら 6 秒待つ︕】
怒りのピークは 6 秒。この 6 秒の間は冷静な判断をする事は出来ません。だからこそ この間に何か言ったり、行動したりしないことが大切です。しかし6秒をそのまま何もせず待っていると長く感じてしまいます。そこで、6 秒やり過ごすために、カッときたら「今、自分が怒ろうとしていることは 10 点満点の中の何点︖」と点数を考えて気をそらしたり(スケールテクニック)、自分を落ち着ける言葉を心の中で唱えてみるというものがあります(コーピングマントラ)。 6 秒待って冷静になったら、怒る必要のあることなのか︖怒る必要の無いことなのか︖を考え、怒ると決めたら適切に怒るようにします。
【思考のコントロール「べき」】
私たちは、自分を怒らせているのは、目の前にいる「人」や「モノ」や「コト」だと思っています。しかし、実際に私たちを怒らせているのは、私たちの中にある「べき」という考え。会社はこうあるべき︕部下はこうあるべき︕親は/子どもはこうあるべき︕等々。 この自分が持っている「べき」が目の前で裏切られた時、私たちは怒りを感じるのです。 何故なら、この「べき」は、今までの人生や経験の中で身につけたその人にとっての「真実」だからです。
 そこで、自分の「べき」が裏切られ腹が立った時、相手の「べき」は
①自分と同じ=許せる
②自分とは違うが、それもアリ=まあ許せる
③絶対に誰が見ても聞いても違う=許せない
この 3 つの中のどれに入るかを考えます。③に入るのであれば、怒るという選択をし、①②であれば怒らないという選択をします。
 しかしながら最初にお伝えしたように、皆が同じ「べき」を持っていない時代。 だからこそ、①か②か︖ではなく、②に入らないだろうか︖と考えることが大切です。 そして、②の範囲を広げることが、無用に怒ることを防ぎます。 ただ、際限なく広げる必要はなく、範囲を広げたら、それを固定させる努力をします。 その日の気分や相手によって左右させない。そして固定させたら、怒ることと怒らない事の境界線(②と③の境界線)を周りに見せます。例えば「お客様や取引先の迷惑に繋がることには怒るよ」「ミスは 3 回まで 4 回目は怒る」など。
 アンガーマネジメントは心理トレーニング。実践しなければ効果は無く、実践をやめれば効果もなくなります。「いかり」はそのまま読めば「怒り」ですが、視点を変えて逆から読めば「りかい」になります。怒りをそのまま捉えるのではなく、違う視点で捉えることで相互理解につながり、パワハラ防止、組織の活性化につながります。6 秒ルールはすぐ出来ることですので、是非、今日から実践してみてください。

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